自己資金0でも始められる投資

不動産投資の初期費用

不動産投資を始めるには元手がないと、と普通は思いますよね。
何千万というモノを買うのですから。
しかし「自己資金がなくても投資を始められます」と営業をかけられることがあります。
どういうことなのでしょうか?

まず、不動産売買には物件そのものの費用の他に様々な費用がかかります。
「諸費用」と呼ばれるものです。
その内訳を見てみましょう。

・手付金
物件を契約するにあたって、確実に物件を確保するために不動産業者を通して売主に払い込みます。これは売買代金の一部になります。
手付金の相場は1割ですので、例えば3000万の物件なら300万円が相場です。
しかし、投資用不動産の取引においてはこの手付金を大幅に減額しているところも多くあり、例えば10万程度で済むケースがよく見られます。

・頭金
購入する物件価格の一部を先に収め、売買代金の一部にします。
メガバンクでは頭金を3割程度用意していないと、ローンが組めない場合がほとんどです。
一方、信販系の金融機関などでは頭金不要でローンが組めることも多いです。

・仲介手数料
(物件価格の3%+6万円)×消費税を仲介不動産に支払います。
不動産会社が直接売主となっている場合にはかかりません。

・ローン手数料
ローンを組む際に金融機関に支払う手数料です。金融機関によって額は違ってきますが、数万円といったところです。

・登記費用
登記権設定、所有権移転の登記が必要です。登録免許税も合わせて司法書士に依頼します。
3000万の物件なら20万〜30万ほどです。

・印紙代
3000万の物件なら1万5千円です。

・火災保険料
商品によって様々ですが数万円かかります。
初期費用としてかかるのは以上ですが、購入後にかかる費用として不動産取得税、固定資産税、都市計画税があります。

合計すると、頭金0でローンを組んだとしても仲介手数料等を考えると3000万の物件を買うのに100万円以上は諸費用がかかることになります。

なんだ、じゃあやはり自己資金が必要じゃないかと思われますが、ここで銀行からの借り入れが大きな役割を果たすことになります。

自己資金とレバレッジ

そもそも不動産投資のメリットとして一番にあげられるのが、銀行から借りた資金で投資ができるという点です。
株やFXなどの他の投資では銀行は融資してくれません。いくらこの株が上がることが確実で儲けられるんだと融資担当に力説したところで相手にされないのです。
それは銀行は投資というギャンブルには融資しないからです。
ではなぜ不動産投資には融資するのかといえば、不動産は投資ではなく賃貸経営という事業だとみなしているからです。

このようにせっかく他人の資金で収益をあげられるのだからと投資家は自己資金で買ってしまうより融資を活用しています。

投資家の自己資金割合グラフ(出典 日本財託)

これを見ると10万円からが飛び抜けて多いことがわかります。
手付けの10万だけ用意したということでしょう。

少ない10〜100万の自己資金でその何倍もの数千万の運用をすることをレバレッジを利かせるといいます。レバレッジとは「てこ」の作用のことで、少ない元手からてこを利かせるように大きな利益を産むことを言います。

レバレッジを効かせた場合の収益を比較してみましょう。
元手が100万円として、株式などに投資して年間利回り5%で運用したとしたら5万円のキャッシュフローが生まれます。
しかし不動産投資では、100万円しか持っていなくても借り入れにより2000万円の物件でも運用することができます。すると同じ年間利回り5%でも100万円のキャッシュフローが生まれます。

レバレッジといえばFXでも使われますよね。少ない投資で大きな収益を目指すのは同じなのですが、FXの場合は損失が出れば追い証(追加の資金)が求められます。その点が不動産投資とは大きく違いますね。
このように、他の投資では使えない融資により投資ができるのが不動産投資のメリットです。

フルローンとオーバーローン

ではどのくらいの借り入れを考えれば良いのでしょうか。
自己資金が少ない場合、頭金なしで物件の購入代金をすべて借り入れることになります。
これをフルローンといいます。

フルローンはあくまで物件価格がフルで借りられるということですので、諸費用は自分でまかなわなければなりません。
諸費用だけでも100万円を超えることが多いので、本当に自己資金0で始めるにはその分まで借り入れなければなりません。
諸費用分まで借り入れることをオーバーローンといいます。

上でも述べましたが、メガバンクではフルローンやオーバーローンには対応していません。
2割〜3割の頭金が必要になります。
地方銀行でも1割〜2割の頭金が必要です。
ですのでフルローンやオーバーローンを組もうとすると、不動産投資家御用達のスルガ銀行やオリックス銀行、あるいは信販系ノンバンクから融資を受けることになりますが、金利面ではメガバンクでは1%台もあるのに対して2〜5%の金利は覚悟しなければならないのは注意が必要です。

自己資金0はオススメはしない

確かに自己資金がなくても不動産投資は始められるのですが、キャッシュフローをしっかり考えてみるとオーバーローンまでして始めるのは効率の良い投資とは言えません。
ある程度自己資金を入れることで収益面で大きな差が生まれるからです。

3000万円で月額賃料15万円の物件を購入する場合を考えて見ましょう。
例として、諸費用込みのオーバーローンで3100万円をノンバンクから30年ローン金利2.5%で借りる場合と、頭金を300万入れて2700万円を地銀から30年ローン金利2%で借りる場合を比較します(元利金等、金利固定で計算します)

上の表を見ればわかる通り、月のキャッシュフローで2万円以上変わってきますし、金利として支払う分(これは無駄な出費ですよね)もなんと400万以上差がつく結果となります。

ですので、それでもしっかり収益が生まれると判断できる場合は別ですが、フルローンやオーバーローンが組めるからといって安易に飛びつくのは控えたほうが良いでしょう。

まとめ

1、自己資金0でも不動産投資は始められるというのはホントです
2、レバレッジを効かせられるのが不動産投資の強みです
3、ただしフルローンやオーバーローンは収益性ではマイナス点になります
4、自己資金0でも始められますが、やはり効率的に投資をするなら自己資金は準備しておくのがオススメです