不動産投資のランニングコスト

物件保有中にかかる費用

投資物件を購入する際、まずは利回りや月毎の収支はどの程度なのかを判断基準にしますよね。そこでローン返済額よりも収入が多ければ収益が生まれるなと判断すると思います。

しかし、不動産会社が出してくる月毎のシミュレーションは単純に家賃収入から管理費や修繕積立金を差し引いた額でしかありません。そこで一応プラス収支になっていても、税金や保有中に必要になるであろう備品の交換代金などを考慮すると年間トータルではマイナスになってしまう場合も多くあります。

思わぬ出費により、こんなはずじゃなかったとならないように物件保有中にどのようなコストがかかるのか下にまとめておきますのでしっかり把握しておきましょう。
また、そのコストは経費として計上できるかどうかも知っておく必要があります。

1、管理手数料(PM費用) 経費になる
これは入居者からの家賃を集めオーナーに入金したり、空室になったら新しい入居者を募集したりする、いわばオーナーの作業を代行する会社に支払う手数料です。
これをPM(プロパティマネジメント)費用といいます。
その物件を紹介してきた会社にそのまま管理契約を結ぶ場合がほとんどだと思いますが、オーナーが途中で別の管理会社に変更することもできます。ですのでワンルームマンションの場合部屋ごとに管理会社が異なるのも普通です。
相場としては家賃の3〜5%ほどです。

2、管理費(BM費用) 経費になる
上の管理手数料と似ていてややこしいかもしれませんが、これは建物全体を管理している会社に支払うものです。消防点検や植栽の剪定、建物全体の清掃をしたりする会社です。共用部の水道、電気代もここに含まれます。
これをBM(ビルメンテナンス)費用といいます。
ワンルーム所有の場合、これを管理している会社を変更するには管理組合による決定が必要になりますので個人で変更することはできません。
BM費用は建物の規模や築年数、また業者の清掃回数などで金額の幅が大きいので注意が必要です。

3、修繕積立金 経費になる
アパートやマンションは10年〜15年に一度は、外壁を塗り直したり、内装をきれいにしたりとメンテナンスをしなければなりません。またエレベーターを付け替えたり建物入り口をオートロックにしたりとバリューアップする必要もあります。
もちろんそれには多額の費用がかかりますので、積立を行っているのです。
修繕積立金の目安は国交省の指針によると1平米あたり200円になっています。
20平米の単身向けワンルームなら4000円、60平米のファミリー向けなら12000円が相場ですね。

4、保険料 経費になる
火災保険は加入が必須ですし、任意で地震保険に入った場合には保険料がかかります。
保険料に関しては補償範囲やプランで金額が変わります。
多くのかたは売買契約でセットになっている火災保険に捺印するだけかと思うのですが、実はほとんどの場合過分な補償内容になっています。
必ずしも提示されたプランにする必要はありませんし、自分で別の保険会社を指定することもできますので節約しておくことをおすすめします。
ちなみに保険料は経費になるのですが、たとえ10年分の保険料を前払いしても経費としての保険料は1年分づつしか計上できませんので注意してください。

5、修繕費、クリーニング費用 経費になる
エアコンや給湯器が壊れた場合は交換費用が発生します。入居者が退去した後には壁紙などの内装を新しくしたり部屋をクリーニングする必要がありますので費用が発生します。

6、広告費 経費になる
新しい入居者を募集するために仲介会社に支払うものです。
家賃の1カ月分が相場です。
もっともこの費用は新入居者から礼金をもらうのであれば相殺できる費用になります。

7、固定資産税、都市計画税 経費になる
固定資産税、都市計画税は合計で物件の課税標準額の1.7%です。
課税標準額というのは売買価格とは異なり、市区町村が定める不動産の評価額です。これは実際の売買代金よりは低くなります。
中古物件を売買する際には前の所有者が支払った固定資産税等の証明書がありますので、どのくらいかかっているのか確認しておくことです。
購入後、自身が所有する物件の課税標準額が知りたくなったときは市区町村役場で閲覧するこもできます(他人の物件は見ることはできません)
新築物件はまだ課税標準額がまだ決まっていませんので、各地域毎に定められた「新築建物価格認定基準表」で課税標準額を計算します。

8、住民税、所得税 経費にならない
不動産投資で収益をあげると所得が増えますよね。そうなると当然増えた所得に対して課税されます。
サラリーマンや自営業など他に所得がある場合は所得が高くなるほど不動産投資で得た利益に対する税金も増えます。


以上が保有中にかかるコストです。以下に改めてまとめますと

毎月かかるもの
管理手数料、管理費、修繕積立金

毎年かかるもの
固定資産税、都市計画税、所得税、住民税

数年ごとにかかるもの
保険料、クリーニング費用、広告費

突発的にかかるもの
修繕費

となります。これらをすべて織り込んだ上で長期的な収益プランを計画する必要があります。
修繕積立金には要注意

修繕積立金についてですが、上で「国交省の指針では1平米あたり200円が目安」と述べました。
しかし、新築物件ではこれを下回る相場で修繕積立金が設定されているのをよく目にします。これは、「修繕積立金が安い」というお得感を演出して購入してもらうためです。
初めのうちはそれでも良いのですが、相場より低い積立金しか集まらないのですから、いずれ修繕積立金の額を引き上げていくことになるのです。

ですので築30年ほど経ったときには1平米あたりの積立額が400円を超えるなどというケースもあります。

またいざ大規模修繕を行うことになっても積立金が足りないこともあります。その場合各所有者が部屋の大きさに応じて「一時金」として補填を求められます。
その額数十万にのぼることも珍しくありません。

このような出費を抑えるためには、これまでの大規模修繕の履歴、また今後大規模修繕を行う予定はあるのか、そして現在修繕積立金はどのくらいたまっているのか、これからどうやってためていくのかを確認しておきましょう。
管理組合で、大規模修繕に関する決議書や修繕積立金計画書といったこ書類が確認できますので、必ずチェックし、思わぬ出費を避けるようにしましょう。

まとめ

1、ローン返済以外にどのような支出がでてくるのか長期的に捉えておきましょう。
2、ランニングコストのほとんどは経費として計上できますが、所得税と住民税はけいじょうできません。
3、ランニングコストのなかで特に重要なのが修繕積立金です。相場(1平米あたり200円)より高くないか確認しておきましょう。
4、修繕積立金が不足していると一時金が求められたりしますので、管理組合が保有する資料で大規模修繕の計画や積立金の額・計画を確認しておきましょう。