築古の物件の売却戦略

築古の物件の売却戦略

中古の投資物件を購入しようと考えたとき、築年数は大きなファクターになります。
例えば、現在築20年の物件でなかなか良さそうなものがあったとします。
これを15年後に売却しようとすると築35年が経過していることになります。

大手の不動産売買ポータルサイトの検索条件などをみても築年数の項目は〜30年までとなっている場合が多いです。
これは築30年以上経っている物件への需要が少ないことを意味します。

不動産投資のセミナーなどでも築年数の狙い目は「築15年前後」と言われることが多く、これは10数年保有した後でも売却しやすいからです。

もちろん築30年経ったら全く売れないというわけではありません。
買い手としては
①古くても良いから安く広い家に住みたい人
②築古物件を激安で入手し高利回りを手にしたい人
③入手後リノベーションして高く売りたい業者
などがいます。

しかし、いずれの人も「安い価格で買える」というのが理由ですから、売り手としては売却価格に期待できるものではありません。

そうすると、結局売れないか低価格でも構わないから手放すかとなってしまいます。

ところが、少しのコツで、物件の価値を高めることができることもあるのです。
あまり知られていない制度を利用して古くなった物件に付加価値を与えてやれば、その分価格も高く売り出すことができます。

瑕疵保険の加入

新築住宅の場合、買主は売主である不動産会社から建物の保証を受けられます。
つまり購入後に何か不具合が見つかったら売主が直してくれるのです。
しかし、中古住宅では売主が個人であるために、引き渡し後に保証をするのは無理です。
これでは物件が古くなる程買主は不安になります。
そこで、国は中古住宅にも一定の基準をクリアすれば売買後最長5年間の保険を付ける制度を創りました。
この保険に入ることで、買主様は引き渡しを受けたあとに発見された雨漏りや傾きといった隠れた瑕疵(欠陥)が保険で保証されることになるということです。

ところが、その制度についての不動産会社の理解度が足りないため、説明されずに取引を進められることが多いのです。

瑕疵保険を利用するためには、住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)の審査を受けて登録することが必要です。
「既存住宅検査機関検索システム」http://search-kashihoken.jp/
から保険法人を選んで登録を行いましょう。

以下の5つが、国土交通大臣が指定した住宅専門の保険会社として指定されています。
・(株)住宅あんしん保証
・住宅保証機構(株)
・(株)日本住宅保証検査機構
・(株)ハウスジーメン
・ハウスプラス住宅保証(株)
建物診断の実施

中古住宅に持つ不安の中でもっとも多いのが「建物への不安」です。
そこで建物診断制度を行うことで、買主は購入後にどの部分を修理したりリフォームしたりすれば良いのかの判断が可能となり、購入後の不安の一つである修繕費にかかるお金の目算が立ちます。
そうなることで、お互いに納得のできる価格交渉が可能にもなります。

建物診断は様々な業者が行っていますが、なかには素人同然の診断しかできない業者もありますので、以下の資格者を揃えているか確認してから実施するようにしましょう。
1.宅地建物取引主任者
2.一級建築士、二級建築士
3.一級施工管理技士、二級施工管理技士
4.住宅診断士(ホームインスペクター)
5.木造住宅耐震診断士

また「 建物診断設計事業協同組合(国交省認可)」http://www.adoc.or.jp/
で探すこともできます。

住宅履歴情報制度の活用

築古住宅の買主は、ほぼ購入後にリフォームを行います。
そこで問題になるのが、新築時の設計図面がなかったり、今までに行ったリフォームや設備の交換内容が分からないことです。
そのような情報がない場合には、購入後に必要なリフォームと必要のないリフォームがわからず、価格交渉のしようがありません。
そうした問題を解決するのが「住宅履歴情報」という制度です。
この情報は、電子化されたもので住宅の所有者から所有者へ引き継がれます。
国は、住宅を長持ちさせるためには、メンテンスや補修を定期的に実施し、それを履歴として蓄積していくことが必要であるとしています。もちろん、現在の所有者がそうした情報の全てを保有しているというわけではありません。しかし、現在ある情報からスタートし、その情報に厚みを増していくことで、優良なストック住宅が生まれます。

住宅履歴情報は
一般社団法人JBN(全国工務店協会)http://www.jbn-support.jp/
などで申し込みをすることができます。

以上に述べた制度は未だあまり周知されているとは言い難いものです。
だからこそ、築古の物件の売却戦略で有効なものであるとも言えますので、活用してみてください。

まとめ
1、築古物件は買い手が限定されます。
2、自分の物件の安心性を高めることでより広くの買い手にアプローチしましょう。
3、具体的には瑕疵保険への加入、建物診断の実施、住宅履歴情報制度の活用です。